星座の呼び名

先日、ペガスス座の星座名について星仲間がもめていました。
ペガサス座かペガスス座か、どちらが正しいのか?そう問われて一瞬戸惑ってしまいました。

そもそも星座とは約5000年前のメソポタミア地方の羊飼い達が夜ごと明るい星々を繋いで英雄や動物の姿を描いたのが始まりと言われています。

それらはその後古代ギリシャに伝わり神話や伝説と結びついて行きます。
紀元2世紀頃にギリシャの天文学者プトレマイオスが現在の星座と殆ど同じ48星座に整理し、その後1500年以上もそのまま使われて来ました。

16世紀頃になって大航海時代を迎え望遠鏡の発達で48星座の隙間や星座のなかった南天にも南半球の珍しい動物や新しいコンパスなどの名を星座として作って行きました。

こうして勝手に作られた星座は100を超えてしまい1928年の国際天文学連合で88星座と定めて現在に至っています。

その際に定められたのが星座の学名で他の科学分野と同じラテン語名をあてることになりました。
学校教育においても教科書検定基準で学術用語を記述することとなっているため星座もラテン語読みの学術名を記載しているようです。

こうした事からラテン語の学名であるペガスス座が正しいとされていますが、ペガサス座と表記されることが多いのも現実です。
これはギリシャ・ローマ神話に登場する天馬がペガサスやペガーソスと呼ばれていたためで英語表示でもペガサスと読むことから科学館の学芸員なども神話の説明ではペガサスと使い分けているようです。

これはペガスス座だけに限った話ではなく、ヘラクレス座とヘルクレス座、コップ座とカップ座、テーブルさん座においては古くから日本ではラテン語読みの学名と同じメンサ座と呼ばれていたものがテーブルさん座と改められています。

それではペガサス座やヘラクレス座と決して呼んではいけないのでしょうか?

教育者や学術関係者はラテン語の学名を用いるべきと思いますが、一般には古くは数千年にも渡り神話や伝説などから呼ばれてきた背景を含めた名を多様性として認め伝えて行く事も必要なのではないかと言われるようになって来ています。

学名についての例で一番わかりやすいものとしては動植物があげられます。
一般に動物や植物の学名はすべてラテン語またはラテン語化された属名と種小名の組み合わせた二名式命名法に、命名者の名を足した三名式があります。
私達日本人に最も馴染みの深い桜の代表といえるソメイヨシノは学名をプルヌス・エドエンシスまたはプルヌス・エドエンシス・マツムラと言います。

一般にソメイヨシノをプルヌス・エドエンシスと呼ばなければいけないとすることはありません。
また園芸などでは学名より和名や園芸名で呼ばれることの方が圧倒的に多いと思いますし、教科書でもライオンやゴリラ、ツバキやイチョウなど殆ど全て和名で記載されています。
ニシローランドゴリラの学名がゴリラ・ゴリラ・ゴリラというのは少しネットでも有名になった話です。

話を元の星座に戻しましょう。

夜空を賑わす星々にはギリシャ神話の神々や伝説を元にした名前が星座になり数千年の歴史があるということです。
1928年にラテン語の学名が制定されましたが絶対に学名で呼んだり記載しなければならないと言うことではなく、学校教育でも表記や発音に対しては子供達の多様性を認める風潮がありますし、星座の呼び名の背景も含めて伝えることも大切な教育なのではないかと言われ始めていることを最後にお伝えしておきたいと思います。

さて、あなたはペガスス、ペガサスどちらの呼び名が良いですか?

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